離乳食は大人の食事と違い、月齢に応じて何を食べさせるか、量など気を配らなければいけないことがたくさんあり、作るのは一苦労。そんなママたちに向け、簡単に離乳食を作るポイントや赤ちゃんが食べやすくなるアイディアなどをお教えいたします。
献立の基本は大人の場合、一般的に「一汁三菜」または「一汁二菜」ですが、食べる量の少ない離乳食の場合は主食の中にたんぱく質を加えたり(例:しらす入りのおかゆ)、野菜を入れた主食(例:青菜入りおかゆ)などにアレンジしてもかまいません。栄養バランスを考えながら、離乳食の献立を考えてみましょう。ママの気持ちに余裕があるようなら品数を増やしてみるのも良いでしょう。使い慣れた食材ばかりを使用していることもメニューがマンネリ化する原因の一つです。離乳食が進むにつれて、赤ちゃんが食べられる食材も増えるので、食材を変えながら味に変化をつけ、献立の幅を広げていきましょう。
赤ちゃんにとって大切な栄養素は「炭水化物」「たんぱく質」「ビタミン・ミネラル」の3つです。
さまざまな種類がある市販のベビーフードは、主に裏ごしなどの下処理がされている「素材」系と、料理として完成されている「調理済み」系のベビーフードに分類されます。またベビーフードの形状も、粉末タイプ・レトルトタイプ・びん詰めタイプなどがあります。月齢ごとに異なる離乳食の固さや味付けのお手本になる上、忙しくて時間のない時にもピッタリです。そのまま離乳食として利用したり、ひと手間加えてオリジナルレシピを広げるなど、上手に利用していきましょう。
ただベビーフードは全体的にやわらかめに作られているため、特に離乳食後期9ヶ月・10ヶ月・11ヶ月以降の赤ちゃんにとっては、少しやわらかすぎるように感じるものもあります。離乳食を使ってかむ練習をしたい時は、赤ちゃんの好きなベビーフードに他の食材をプラスしながら、味や食感、食材に変化をつけることを心がけましょう。
少量の食材を加熱調理するのは、電子レンジの得意技です。簡単離乳食作りのためにも、電子レンジの基本を覚えましょう。
大人用の料理を作る時に材料の一部を取り分けて作る「取り分け離乳食」は、大人と同じような食材やメニューが食べられるので赤ちゃんが喜ぶだけでなく、離乳食作りをスピードアップできます。香辛料や食材に気をつけながら、味つけ前の下ごしらえの段階で取り分けるなど、赤ちゃんの月齢や離乳食の時期を考えながら工夫してみましょう。
取り分けた食材は赤ちゃんの離乳食の時期に合わせて、もうひと手間かけることが必要です。刻んだりすりつぶすなど、赤ちゃんが食べやすい状態まで調理をしましょう。味を薄くする時は少量のお湯やだしを加えながら、取り分けた食材を赤ちゃんが食べやすい味にします。もちろん、余分な脂肪分も取り除くことを忘れずに。離乳食中期7ヶ月〜8ヶ月以降の場合は脂肪の少ない肉を使ったり、ひき肉の場合は余分な脂肪をあらかじめ取り除いてから調理をするのも良いでしょう。
監修:村野明子副院長 元聖マリアンナ医科大学病院小児科医長、現在は町田市内の村野小児科の副院長