食べる意欲と社会性を育てよう

離乳食が思ったペースで進んでいないと、つい心配してしまいますよね。でも、食事は「食べさせるもの」ではなく、子ども自身が「食べるもの」。子どもの食べるペースを大切にしましょう。自発的に食べる行動を起こさせるには、食事時間に空腹を感じていることが基本です。たっぷり遊んで、規則的な食事リズムを心がけましょう。

参照:「子どもの食と栄養」堤ちはる・土井正子 著

発達に応じた食べさせ方を

食事を食べさせる際は、食欲を育み、規則的なリズムを持って、食べる楽しさを体験していくことを目標としましょう。離乳食の開始時は子どもの様子を見ながら1さじずつはじめ、母乳やミルクは飲みたいだけ飲ませてOKです。離乳食が進むにつれ、1日2回食、3回食へと食事のリズムを付け、生活リズムを整えていくようにします。家族と一緒に食卓を楽しんだり、手づかみ食べで自分で食べることを楽しむ、といったように食べる楽しさの体験を増やしていくとよいでしょう。

5~6か月ごろ
赤ちゃんにとって、母乳以外の食事を口にするのははじめての経験。最初は食べ方を覚えることが目標です。口に入った食べものを、口を閉じて、舌を上あごに押しつけながら後ろへ送り、ごくりと飲み込む練習をしましょう。
具体的にはスプーンを下くちびるの上にのせ、食べものが来たことの合図を送り、乳幼児自身が口を閉じて食物を取り込むのを待って、スプーンを引き抜きます。食べさせようと焦ってスプーンを口の奥に入れたり、食べものを上あごにこすりつけたりしないよう注意しましょう。
7~8か月ごろ
スプーンの先端部に食べものをのせ下くちびるにおいて、上くちびるの取り込む動きを待ちます。食べものを舌の中央より奥に置いてしまうと、舌と上あごで押しつぶす動きをする前に飲み込んでしまい、丸飲みにつながります。また液体はレンゲや浅いおちょこで飲む練習をしてもよいでしょう。
9~11か月ごろ
手づかみ食べや遊び食べが盛んになる時期です。これを禁止してしまうと自分から手を出さず、食べさせてくれるのを待つような態度になってしまいます。食べものを触りたがるときは少量を取り分けて自由にさせ、汁物などこぼしやすいものはあらかじめ遠ざけておきましょう。
12~18か月ごろ
手づかみ食べが主になります。異なった食べものを手でつかみ、大きさ、固さなどを確かめ、どの程度の力で握れば適当かを体験していくことは、手でスプーンやフォークなどを扱う訓練にもなります。口に押し込みすぎたとき、すくうとき、フォークで刺すとき、前歯でひとくち量をかじりとらせるときなどに、手伝ってあげるとよいでしょう。
離乳食作りで気をつけること
衛生面には細心の注意を
乳児は細菌に対する抵抗力があまりありません。さらに離乳食は水分が多く、薄味で栄養価が高いため、細菌に汚染されてしまうと普通の食品よりも腐敗しやすいものです。つぶしたり裏ごしするといった調理方法を多用するため、細菌汚染の機会も多くなります。「新鮮な材料を衛生的に取り扱う」「加熱の必要があるものは十分火を通す」「調理後は時間をおかずに与える」といった調理の基本を忘れないようにしましょう。
栄養バランスと豊かな食体験
離乳食開始後1か月を過ぎたころからは、栄養のバランスにも配慮しましょう。さまざまな食品や調理法を取り入れ、味や口ざわりなどに変化をもたせ、食体験をゆたかにしてあげましょう。
大人の食事からの取り分けも活用
毎食毎食、大人とは別に離乳食を作るのはタイヘンですよね。大人の食事から取り分けて離乳食を作れば同じ食材を使えてムダがなく、調理時間の節約にもつながります。 大人の食事から取り分けるには、大人の食事に乳幼児が食べられる食材が入っていること、簡単に離乳食に展開できる食材や調理法を選ぶこと、また大人用の濃い味付けをする前に取り分けることが大切です。取り分けた後に、刻む、つぶす、とろみをつける、汁気を多くするなど、乳幼児が食べやすい調理を心がけましょう。
ベビーフードって使っていいの?

各月齢の乳児に応じた、たくさんのベビーフードが市販されていますよね。必要量だけ使える乾燥タイプ、外出先で便利な瓶詰めタイプやレトルトタイプなど、種類もさまざまです。

単品でもOKですが、手づくり離乳食と併用することで、手軽に食品数や調理形態を充実させられます。またベビーフードは月齢に応じて固さや味が調整されているので、離乳食作りのお手本にもぴったりです。

ベビーフードだけを使い続けると味や栄養が偏ってしまうこともあります。また製品によっては柔らかすぎるものもあるようです。メリット・デメリットを知った上で、うまく赤ちゃんの食生活に取り入れるようにしましょう。

新しい食べもののあげかた

新しい食べものをあげるときは、アレルギーにも注意が必要です。あげるのは1日1種類、1さじだけ与えましょう。こうすることで子どもの慣れやアレルギー反応の有無が確認できます。異常がなければ、1日ごとに1さじずつ増やしていきます。

子どもがよく食べるからと行って一度にたくさん与えるのは避けましょう。食事時間は親子とも落ち着いて食事に専念できる時間を選ぶとよいでしょう。何かあったときに受診しやすい午前中がベストです。

「楽しく食べる」を目指しましょう

離乳食は、段階を追って、そして個人に添っていくものなので、「これが正解」と一口には言えません。しかしはじめて口に入ったものは子どもにとって異物です。いくらお母さんが一生懸命作ったものでも、吹き出してしまうのはごく普通のこと。これを何回も繰り返しながら味を覚え、慣れていくものだと思っておきましょう。「おいしいよ」「いっぱい食べて大きくなってね」と言葉をかけ、実際食べて見せてくるうちに、子どもはそういうものか、と覚えていくのです。

口の中に入れられたものが気に入らず、飲み込みたくないために口を開けたままよだれをたらす。「いやだ」とばかりに口を絶対開かない。親にしてみれば「どうして…」と困ってしまう状況ですよね。でも見方を変えれば、これらはみな子どもの立派な自己表現。そんなときは「そう、きらいなの。じゃあ今日はこれでおしまいにしようね」「この次はたべてね」「お腹いっぱいになったのね。ではごちそうさまね」などと声をかけて終わりにしてOKですよ。

食事はがんばるものではなく、楽しむもの。「嫌いなものでもがんばって食べる」ではなく、「みんなで楽しく食事をする」を目指してくださいね。

「手づかみ食べ」を楽しむポイント

手づかみ食べをしたがるのは、食べものに興味を持っている証拠。ママにとってはあちこち汚れてタイヘンですが、禁止せず、うまく楽しむ工夫をしてみましょう。

手づかみ食べのできる食事に
  • ・ ご飯をおにぎりに、野菜類の切り方を大きめにするなどメニューを工夫してみましょう。
  • ・ 前歯を使って自分なりの一口量をかみとる練習をしましょう。
  • ・ 食べものは子供用のお皿にいれ、汁物は少量入れた器を用意しましょう。
汚れてもいい環境を
  • ・ エプロンをつけたり、テーブルの下に新聞紙やビニールシートを敷くなど、
      後片付けがしやすいように準備しましょう。
食べる意欲を尊重して
  • ・ 食事は食べさせるものではなく、子ども自身が食べるもの。
      子どもの食べるペースを大切にしましょう。
  • ・ 自発的に食べる行動を起こさせるには、食事時間に空腹を感じていることが基本です。
      たっぷり遊んで、規則的な食事リズムを作りましょう。

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