離乳食が思ったペースで進んでいないと、つい心配してしまいますよね。でも、食事は「食べさせるもの」ではなく、子ども自身が「食べるもの」。子どもの食べるペースを大切にしましょう。自発的に食べる行動を起こさせるには、食事時間に空腹を感じていることが基本です。たっぷり遊んで、規則的な食事リズムを心がけましょう。
参照:「子どもの食と栄養」堤ちはる・土井正子 著
食事を食べさせる際は、食欲を育み、規則的なリズムを持って、食べる楽しさを体験していくことを目標としましょう。離乳食の開始時は子どもの様子を見ながら1さじずつはじめ、母乳やミルクは飲みたいだけ飲ませてOKです。離乳食が進むにつれ、1日2回食、3回食へと食事のリズムを付け、生活リズムを整えていくようにします。家族と一緒に食卓を楽しんだり、手づかみ食べで自分で食べることを楽しむ、といったように食べる楽しさの体験を増やしていくとよいでしょう。
各月齢の乳児に応じた、たくさんのベビーフードが市販されていますよね。必要量だけ使える乾燥タイプ、外出先で便利な瓶詰めタイプやレトルトタイプなど、種類もさまざまです。
単品でもOKですが、手づくり離乳食と併用することで、手軽に食品数や調理形態を充実させられます。またベビーフードは月齢に応じて固さや味が調整されているので、離乳食作りのお手本にもぴったりです。
ベビーフードだけを使い続けると味や栄養が偏ってしまうこともあります。また製品によっては柔らかすぎるものもあるようです。メリット・デメリットを知った上で、うまく赤ちゃんの食生活に取り入れるようにしましょう。
新しい食べものをあげるときは、アレルギーにも注意が必要です。あげるのは1日1種類、1さじだけ与えましょう。こうすることで子どもの慣れやアレルギー反応の有無が確認できます。異常がなければ、1日ごとに1さじずつ増やしていきます。
子どもがよく食べるからと行って一度にたくさん与えるのは避けましょう。食事時間は親子とも落ち着いて食事に専念できる時間を選ぶとよいでしょう。何かあったときに受診しやすい午前中がベストです。
離乳食は、段階を追って、そして個人に添っていくものなので、「これが正解」と一口には言えません。しかしはじめて口に入ったものは子どもにとって異物です。いくらお母さんが一生懸命作ったものでも、吹き出してしまうのはごく普通のこと。これを何回も繰り返しながら味を覚え、慣れていくものだと思っておきましょう。「おいしいよ」「いっぱい食べて大きくなってね」と言葉をかけ、実際食べて見せてくるうちに、子どもはそういうものか、と覚えていくのです。
口の中に入れられたものが気に入らず、飲み込みたくないために口を開けたままよだれをたらす。「いやだ」とばかりに口を絶対開かない。親にしてみれば「どうして…」と困ってしまう状況ですよね。でも見方を変えれば、これらはみな子どもの立派な自己表現。そんなときは「そう、きらいなの。じゃあ今日はこれでおしまいにしようね」「この次はたべてね」「お腹いっぱいになったのね。ではごちそうさまね」などと声をかけて終わりにしてOKですよ。
食事はがんばるものではなく、楽しむもの。「嫌いなものでもがんばって食べる」ではなく、「みんなで楽しく食事をする」を目指してくださいね。
手づかみ食べをしたがるのは、食べものに興味を持っている証拠。ママにとってはあちこち汚れてタイヘンですが、禁止せず、うまく楽しむ工夫をしてみましょう。